コラム

あなたはAIが行う電話世論調査に参加しますか?

あなたはAIが行う電話世論調査に参加しますか?

 

「もしAIが電話をかけてきて世論調査をしたら、あなたは応じますか?」こう問われると、多くの方が少なからず戸惑いを覚えるかもしれません。日常生活ではチャットボットや自動音声案内など、AIとのコミュニケーションに抵抗を感じなくなってきていることは事実です。実際に、企業の問い合わせ窓口ではAIが活躍しており、その顧客対応の精度も高まっています。

 

そこで改めて考えたいのが、電話世論調査の場面におけるAIオペレーターの可能性と、その際に発生しうる心理的抵抗感です。本コラムでは、AIによる電話世論調査の未来や課題について深掘りしていきます。

 

1.AIが電話で行う世論調査に対する回答者の心理的抵抗感

数年前までは会話型AIへの違和感が強かった人でも、スマートスピーカーや自動翻訳、チャットボットなどと日常的に接することで、その存在を当たり前のものとして受け入れ始めていますが、AIによる電話世論調査で最初のハードルになるのは、回答者の抱く心理的抵抗感です。一般的に、人はまだAIを「対等」にある存在として意識していないため、話すこと自体に警戒心を抱く警戒心を抱く人も少なくありません。録音やデータ活用に対する不安も加わり、「自分の情報がどう扱われるか」という懸念が回答をためらう原因にもなるのです。

 

また、電話調査は事前の許可(パーミッション)が難しい点も特徴的です。グループインタビューやデプスインタビューのように、あらかじめ同意を得たうえで進める対面方式とは異なり、突然調査の電話がかかってくるケースがほとんどです。そのため、いきなりAIオペレーターと名乗られると、驚きや抵抗感を抱いて電話を切られてしまうリスクが高まります。

 

2.回答者から見た、人間が行う世論調査とAI世論調査の違い

回答者が電話による世論調査に応じるうえで重視するのは「自分の意見を正しく受け止めてもらえるか」という安心感です。人間のオペレーターであれば、声のトーンやリアクションが直感的に伝わるため、オペレーター側がインタビューのスピードや話し方を柔軟に変えたりして、回答者の戸惑いを取り除くこともできます。

 

それに対して、AIの場合は限られたルールやシナリオに沿って会話するケースが多く、現在はまだ微妙なニュアンスを読み取りにくい印象があります。仮に回答者が回答に迷ったり意図を尋ねたりしても、必ずしも細やかなフォローが得られるわけではありません。こうした点は、人間のオペレーターが行う世論調査とは異なる、AIによる調査の課題と言えます。今後AIへの理解が広がり、AIの音声や応対品質が向上すれば、今後この抵抗感は大幅に低減して行くでしょう。

 

3.世論調査でAIオペレーターは人を超えることができるのか?

では、このような心理的抵抗や違和感を解消するために、AIは今後どのような進化を遂げていくのでしょうか。

 

現在の電話世論調査では、経験豊富な電話調査員(人間のオペレーター)が、それぞれの回答者に合わせて様々な対応をしながら回答者から協力を得てインタビューを行っています。様々な回答者がいて、様々なオペレーターが定められたルールの範囲で、それぞれ独自のやり方を駆使しながらインタビューをしています。100件電話を架ければ、その100件全て微妙に異なる部分があり、経験豊富な電話調査員たちは、無意識のうちにこのような臨機応変の対応ができています。

 

最近のAI音声技術は、人間に極めて近い音質やイントネーションを再現できるようになってきています。そのような技術が活用されたAIオペレーターによる世論調査の電話で、電話を受ける側が「内容がわかりやすい」「応答が迅速」「臨機応変な対応が可能」などのメリットを感じることができれば、「相手がAIか人間か」はさほど問題ではなくなるかもしれません。むしろ、ミスや感情のブレが少ない点は、AIならではの強みともいえます。

 

AIオペレーターはこれからも人間のオペレーターに近いものに発展して行くものと思われていますが、経験豊富な人間のオペレーターが行う世論調査と同じ品質レベルのインタビューを行えるようになるのはまだ少し先の話になるのかもしれません。また、ひょっとするとAIオペレーターによる世論調査では、AIは単純に人間を超えることが求められるのではなく、人間のオペレーターと比べてどちらかを選ぶ、選択肢の一つとなるのかもしれません。

 

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