コラム

価格調査に取り組むメリットと課題

製品やサービスをどの程度の価格で販売するか、あるいは原材料をいくらで仕入れるのかといった価格戦略を立てることは企業経営を行っていく上で非常に重要な取り組みです。

 

価格調査を活用する具体的な場面としては、取引先から原材料の値上げを要求され、調達先の変更をしたいが、どの程度の価格で仕入れることが可能か、あるいは市場深耕のため販売戦略を検討するにあたり、地域における競合製品の実勢価格を把握したい、といったような例が考えられます。

 

また、価格は、商品価値がどのくらいか、単価設定や利益をどの程度もたらすか、という数値情報を表すだけに止まりません。広告表示や実店舗の雰囲気と同じく、それ自身が生活者との間に商品のイメージを創出し、生活者に満足を与えるという役割を持っています。

 

 

1. 価格調査に取り組むメリット

製品やサービスをどの程度の価格で販売するか、あるいは原材料をいくらで仕入れるのかといった価格戦略を立てることは企業経営を行っていく上で非常に重要な取り組みです。

 

このような価格戦略を策定するための意思決定に必要な情報は、価格調査から得ることができます。価格調査を行うことで特定分野の製品やサービスの実勢価格を知ることができます。定価のない製品・サービスにおいては契約条件を具体的に指定することで、実勢価格を把握することができます。これらの情報は自社の製品・サービスの販売価格の検討、原材料の調達先の選定などに活用することが可能です。

 

2. 価格調査が活用されるケースと手法

(1) 価格調査が有効になる場面

例えば、取引先から原材料の値上げを要求され、調達先の変更をしたいが、どの程度の価格で仕入れることが可能か、あるいは市場深耕のため販売戦略を検討するにあたり、地域における競合製品の実勢価格を把握したい、といったような例が考えられます。

 

また、新しく市場参入を検討するにあたり、有望と考えられるカテゴリーの製品やサービスの販売価格を把握したい、新規に事業を行うにあたり資材の調達先を検討する際、原材料の実勢価格はどの程度か、新しい製品・サービスの販売開始を検討しているが、どの程度の価格なら受け入れてもらえるか、といった場面も考えられます。

 

(2) 価格調査の主な手法

主な調査手法としては、ヒアリング調査やアンケート調査、公開されている情報の収集などが挙げられます。

 

ヒアリング調査では競合企業や販売代理企業、実際の取引先、業界の上部団体等、幅広い複数のキーマンから情報を収集することにより、精度が高く、価値のある情報収集を行うことができます。アンケート調査と比較すると、定性的な情報を入手することも可能です。

 

アンケート調査では対象のサンプルや対象項目などを設定して、メーカーや販売代理企業などに配布し、回答を回収することで主に定量的な情報を集める取り組みになります。公開されている情報の収集については、WEB上の情報に加えて、業界誌や業界新聞から情報を収集することができます。

 

3. 一般的な価格調査の課題

価格調査の質問項目の事例としては下記のようなもの挙げられます。

 

製品Aを○○○円で買いたいと思いますか?/製品Bはいくらなら購入したいと思いますか?

 

しかしながら、このような質問による定型的な価格調査には限界があります。なぜなら通常、一般消費者がモノを買うケースでは、予算の幅を持って、ある程度柔軟な意思決定をすることが多いと考えられるからです。上記の質問事例では、そのような予算の幅が考慮されていません。

 

さらに、このような直接的な質問で調査を行った場合、状況によって調査結果がやや偏る傾向があると言われています。また、価格は、商品価値がどのくらいか、単価設定や利益をどの程度もたらすか、という数値情報を表すだけに止まりません。広告表示や実店舗の雰囲気と同じく、それ自身が生活者との間に商品のイメージを創出し、生活者に満足を与えるという役割を持っています。商品イメージやコンセプトと切っても切り離せない関係にあるのです。

 

より多角的な視点を持つことを考慮し、PSM(Price Sensivity Mesurement)という手法が活用されることもあります。

 

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